我が国の医療水準が高いというイメージもあり、保険の範囲内でできる治療であれば「保険診療で行なった方が良いのではないか?」と感じてる方も多いと思います。
しかし実際のところ、個々のケースに対して「最善の」治療を行う、あるいは予防として万全の処置を行うとなると、保険という制度では困難なのです。
自由診療について
なぜ自由診療に特化しているのか?
〜その場限りの最低限の治療を望みますか?
長期的に良好になる為の最高の治療を望みますか?〜
我が国ではかかった医療費のうち、3割の負担で治療を受けることができる歯科保険制度が始まったのは1961年(昭和36年)のことです。同年、公的医療保険制度(国民皆保険制度)が施行され、貧富の差がなく、すべての国民が平等に医療を受けられるようになりました。
この制度は世界中のどの国よりも低価格で歯科治療を受けられるというメリットがあり素晴らしいシステムです。
しかし、歯科の分野では諸外国に比べ、例えば虫歯の進行により『根っこの治療(根管治療)』が必要になった場合、諸外国と比較して診療費用が1/3〜1/20程 (アメリカとは約20倍の差、日本;約¥5,000 アメリカ;約¥100,000) に設定されています。
歯科診療の保険診療は報酬(点数)が低いため医院側としては経営のために患者様1人にかける診療時間を短くし、1日により多くの患者数を診察するか、説明する時間が不十分な中、自費診療への誘導をしなければならない状況に追い込まれてしまう傾向があります。
なお、この報酬(点数)は歯科医師の『経験、技術』ではなく『処置内容』によって決められています。その為、『最善(10割)の治療』『及第点程度な治療』『歯科医歴が1年目でも20年目以上の治療』『専門外の治療、専門医の治療』も、処置内容が同じならば全て同じ点数(報酬)です。
結果として多くの歯科医院で、時間をかけた検査・説明・治療、最新の器材の使用、高い技術レベルの歯科治療をご提供することは難しくなっています。こうした状況は、患者様にとっても歯科医院にとっても無益と考えます。
当院ではすぐ治療を開始する事はありません
当院は患者様1人1人にかける診療時間を長くし十分な説明をし納得して頂いてから治療を開始しています。
その為、当院ではまず無料カウンセリング(約60分)にて現状や希望をお聞きした上でその方に必要な精密検査を行い診断を行います。この際、検査結果をもとに治療方法等を説明し納得頂いてからの治療になります。
保険診療の限界
先にも述べたように保険診療では患者様一人一人に十分な説明の時間を設けること、治療に対する希望や不安をよく聞いて治療のゴールをきちんと共有することなどが難しい状況が生まれているという点です。
保険診療で使用できる詰め物・かぶせ物は自由診療に比べ精度が低くなることが多く、その隙間で虫歯菌が増殖してしまうこと(二次虫歯)が問題になっています。つまり、保険診療によって新たな疾患が引き起こされる(医原性疾患の原因となる)恐れがあるのです。
優れた機材の能力を
引き出す知識、技術が必要
どんなに素晴らしい機材があっても何に使用すべきなのかその結果どのような事をもたらすか知識があり機材の能力を引き出す『知識』『技術』がなければ意味がありません。
先にも述べた『根っこの治療(根管治療)』に関してお話しすると、①コーンビームCT、②マイクロスコープ、③Ni-Tiファイルが根管治療の三種の神器と言われています。
これらを使用すれば良い、というわけではありません。コーンビームCTの読影、マイクロスコープ、Ni-Tiファイルを扱う『知識』『技術』がなければ根管治療は成功しません。
全顎治療になった場合は更に『知識』『技術』が必要になります。お口の中全体を見て、全顎的に診査診断する力。枝を見るのではなく幹を見る力。なぜ枝がそうなったのかを分析する力。これらが伴って初めて、最善を尽くすことができます。
原因の追求を行い、顎関節・歯列・神経筋機構の調和を考えた噛み合わせを付与することで、治療後の長期的な安定が獲得出来ると考えます。
当院ではこのような考えのもと、『知識』『技術』に立脚した自由診療主体の医療機関として、一人一人にとって『最善』の治療を提供しています。
患者様から選ばれる理由
豊富な検査内容
様々な検査を行い『1歯単位』ではなく『1口腔単位』として多角的に診断します。
- OP(口腔内写真)/FP(顔貌写真)
- 唾液検査(う蝕関連菌/歯周病菌)
- ペリオチャート
- パノラマ
- コーンビームCT
- セファロ(正面/側貌)
- デンタル(14枚法)
- 歯式
- 筋触診
- 口腔内スキャン
- 診断用模型
納得のいく丁寧な説明
各種検査、資料採取で得られた情報とカウンセリングをもとに患者様にとって最適な治療計画のご提案をさせていただきます。ご提案に納得いただけましたら、正式にご契約となります。
歯科治療の性質上、治療進行途中で変更がおきる事があります。そのため、治療の各ステージ毎に再評価を行い、再度コンサルテーションと契約変更を行う事がある為診断の際に説明致します。
根拠に基づいた治療
当院では、患者様の長期的に良好な状態を保つ事を最終的な目的としているため、痛い歯、問題のある歯の治療のみを行う『1歯単位』ではなく口の中全体を診察し、問題のある箇所以外にも今後問題が生じる可能性のある部分を治療する『1口腔単位』で診ています。
治療が開始される前に歯周病の治療や歯茎の状態を整え、お口の環境をよくすることで治療の効果をより高めていきます。
保険診療と
完全自由診療の違い
保険診療の利点
費用が安い
国民皆保険制度により、患者様は費用を抑えて治療が受けられます。ほとんどの方が三割負担です。
一定水準の治療が受けられる
日本の歯科医療は世界的にみても設備が整っています。最高水準というわけではありませんがある程度高い水準の医療を受けることができます。
保険診療の欠点
材料や治療法に制限がある
保険診療は、プラスチックの差し歯は前歯から第一大臼歯(条件付き)まで、条件に満たない場合、奥歯は金属のみといったように治療の進め方が決められています。また保険で使用する金属は健康面に悪影響(金属アレルギー、メタルタトゥーなど)を及ぼすリスクがあります。
将来、再治療が必要となる
ケースが増えやすい
ある症例に対して同じように治療を進めたとしても、素材によって、その後の歯の寿命が変わると言われています。保険診療で使われることの多い金属は、酸化したり、摩耗したりすることがあります。結果として健康な歯との接着面に隙間が生じやすく、二次むし歯(むし歯の再発)の可能性が高まります。
短時間の治療になりがち
保険制度では時間に対する評価ではなく処置の内容に対する評価になりますので同じ処置の場合15分でも120分でも治療費は同じであり治療費が安価なため短時間で多くの患者さんをこなさないと赤字になる仕組みになっています。
そのため、短時間で治療を行わざるを得ないので、丁寧な説明や精密で確実な治療を望んでも、現実的に難しいことが多いです。
完全自由診療の利点
その人の希望や歯の状態に
あった治療法が選択可能です
患者様のご要望やお口の状態や希望(材質、白さなど)に合わせて、オールセラミックやジルコニア、メタルボンドなどの材料を提案します。また、歯周病治療(再生療法)、矯正治療、インプラントなど、将来の健康を考えて、より機能面、審美面を重視した治療が可能です。
治療精度が高い
一般的な歯科治療では、術者(歯科医師、歯科衛生士)は肉眼で治療を行う事が多いです。しかし当院の自由診療では、拡大鏡、マイクロスコープを使って診療をしています。
マイクロスコープは肉眼と比べると最大で20倍まで拡大して口腔内を見ることができます。それにより根の治療・被せ物の治療・歯周治療等に対してより精密な治療が可能となります。
つまり、緻密で質の高い治療により再治療を行うリスクを軽減させ歯の寿命を伸ばすことにつながります。
患者様のライフスタイルに
合わせた治療を受けられます
自由診療は治療技術が同様でも、治療方法と材料が変わるため、むし歯や歯周病の再発をより抑えられる傾向にあります。また一回の時間を長くかけて集中的に治療することも可能な場合があるので、患者様のライフスタイルを考えた幅広い治療計画を立てられます。
完全自由診療の欠点
保険診療に比べて
費用がかかります
自由診療で使われる材料は、金属・薬剤などほとんどの場合において保険診療で使われるものより高額です。また特殊なスキルを必要とするものも多くあります。
その他、欧米などで歯にとって予後が良いとされる材料などでも日本の保険制度で認められていないものについては保険診療で使うことができないので、自由診療の範囲になります。
歯科医院によって治療内容や
費用に差がある
自由診療といっても、歯科医院によって治療内容や技術、知識、費用などに違いがあります。同じ治療法だからといって全て同じ水準が保たれているわけではありません。導入設備も違いますし、ドクターの考え方や説明の仕方にも差があります。だからこそ、自分にとって良い歯科医院に出会えるように、しっかりとした歯医者選びが必要なのです。
自費診療が
高額になる理由
一言で言うと、歯科医師が最良の治療を施すために『時間』『物』『人』にコストがかかるからです。
『時間』のコスト
保険診療では15〜30分の処置が多いですが自費診療では60分〜120の処置が多いです。
『物』のコスト
セラミック治療やインプラント治療のように治療方法が保険診療と違えば、使用する材料が異なり、場合によって特殊な設備(CT、口腔内スキャナー、レーザー、マイクロスコープなど)が必要になるといった『物』へのコストがかかります。
『人』のコスト
特殊な設備(CT、口腔内スキャナー、レーザー、マイクロスコープなど)を使いこなすだけの知識、技術を持つ施術者へのコストが必要になります。
また、保険診療では1人で処置する事も多いですが自費診療では診療を円滑に進める為に2〜3人(施術者、第1アシスタント、第2アシスタント)で行う事が多いです。
診療に対する想い
なぜ自費(自由)診療が中心なのでしょうか、それは「より良い歯科医療を提供し長期的に安定した口腔内を獲得したい」からです。
我が国の医療水準が高いというイメージもあり、なんとなく「保険の範囲内でできる治療であれば保険診療でやってくれた方が良いのではないか?」と思う方も多いと思います。
しかし、実際はそれぞれの患者さんに対して最適な治療を行うことは保険治療の範囲内ではほぼ困難なのです。
当院における自費治療は、ただ単に材料の違いや見た目が違うだけで選んでいただくことはありません。
一般的な自費治療というと、入れ歯であれば自費治療=金属床義歯(金属の入れ歯)、保険治療=プラスティックの入れ歯と考えられております。金属の入れ歯の方が薄くて熱が伝わりやすく装着感が良いという理由で自費治療の入れ歯を勧められることが多いと思います。
また被せ物であると自費治療=セラミック、保険治療=金属の歯と考えられております。セラミックの方が見た目も白くて綺麗だからということで勧められることも多いと思います。当院では自費治療の被せ物の場合、患者様の要望に応じて金属の歯を使うこともありますしセラミックの歯を使うこともあります。また歯並びによりむし歯、歯周病のリスクがある場合、噛み合わせに問題がある場合は矯正治療も併用する事があります。
当院では患者様の予算や要望に合わせて材質や治療方針を決め納得のいく丁寧な説明を行うことが非常に重要であると考えております。