歯並びの悩みで多いのは「出っ歯」です。
歯が出ているのがコンプレックスであったり、出っ歯によって噛み合わせが悪くなったりと様々な問題が生じてしまうため、「出っ歯を治したい」と考えている人も多いのではないでしょうか。
この記事では、出っ歯の矯正治療について解説します。
出っ歯の治療法には様々な種類があるため、治療内容や費用などを確認したうえで、ご自身にあった治療を選択するのがおすすめです。
この記事を参考に検討していただけたらと思います。
Contents
出っ歯とは
出っ歯は歯科用語で「上顎前突」とも呼ばれ、上顎の前歯が下顎の前歯に比べて極端に前方に飛び出した状態を言います。
基本的には上顎の前歯が下顎の前歯よりも4mm以上前に出ていると出っ歯だと診断される場合が多く、日本人に多い歯並びです。
出っ歯は目立ちやすく見た目が良くないために、コンプレックスに感じやすく、治療で治したいと思う人が多くなっています。
出っ歯の悩みとは?
出っ歯をもつと、見た目が気になるだけでなく、様々な不調の原因になります。
出っ歯で生じる様々な悩みについて紹介しますので、心当たりのある方は早期に治療を検討しましょう。
精神的負担になる
「出っ歯が気になって笑顔を見せられない」や「周囲の目が気になる」など、出っ歯である見た目にコンプレックスを感じてしまう方も少なくありません。
出っ歯によって人前に出るのが恥ずかしく感じたり、笑うのを怖く感じたりと精神的負担を引き起こす場合があります。
虫歯や歯周病の原因になる
出っ歯は口がうまく閉じられないという特徴があります。
口を長時間開けていると、口の中が乾燥しやすくなり、口腔内の免疫機能が低下してむし歯や歯周病などのリスクが高まるのです。
また、出っ歯は歯磨きがしづらい場合があり、磨き残しが増えて虫歯になってしまうケースもあります。
奥歯を喪失するリスクがある
出っ歯によって前歯の噛み合わせが悪いと、食事の際に自然と奥歯の使用頻度が増えます。
前歯で噛めるものも奥歯でカバーするために、酷使して奥歯を喪失するリスクが高まってしまうのです。
奥歯を失うと、食べ物が十分に咀嚼できなかったり、食べ物の栄養が身体に届かなかったりするなど、健康上の問題が発生する可能性があります。
前歯の着色汚れ
歯の着色汚れは、食べ物や飲み物に含まれる色素成分が歯の表面についたままになった状態を言いますが、口を閉じていると歯の表面は唇に触れているため、汚れが付着しづらいです。
しかし、出っ歯によって口が開いてしまい、唇が触れていない部分が乾燥すると、着色汚れが付きやすくなってしまいます。
前歯の着色汚れは目立ちやすいため、コンプレックスの原因にもなるでしょう。
出っ歯の原因
出っ歯になる要因として、先天的なものと後天的なものがあります。
出っ歯になる主な原因を紹介しますので、出っ歯で悩んでいる方や危機感を感じている方は、なぜそのような状態になるのかを理解し、悪化させないようにしましょう。
遺伝
骨格的な遺伝によって出っ歯になる可能性があります。
上顎骨と下顎骨の位置や大きさは遺伝の影響を強く受けやすく、親に骨格のアンバランスさがあれば子どもも同じような骨格になる場合もあるのです。
もし両親や祖父母に出っ歯の人がいれば遺伝である可能性が高く、いなければ後天的な理由で出っ歯になっているのかもしれません。
口周りの癖
幼少期に指しゃぶりをしていたり、舌で歯を押す癖があったりすると、出っ歯になる場合があります。
このような幼少期の癖が長く続いた場合、前歯が圧迫されてしまい、出っ歯になるリスクを高めてしまうのです。
5歳頃になっても癖が続くようであれば、改善させる必要があるでしょう。
姿勢の悪さ
猫背の人は出っ歯になりやすいと言われています。
背中を丸めて前かがみになっていると、顔が下向きになるために口元が緩んで開きやすくなってしまうからです。
猫背によって口が開いたままの状態が長く続くと、歯がきちんと支えられなくなるため、前歯の生える方向が変わって出っ歯になるケースがあります。
猫背だからといって必ずしも出っ歯になるとは限りませんが、良い姿勢を保つように心がけた方が良いでしょう。
柔らかいものを好んで食べている
食事で噛み応えのあるものを食べると、歯だけではなく、歯を支えている顎が発達します。
反対に柔らかく、飲み込みやすいものばかりを食べていると、顎がうまく発達せず、さらに前歯で噛む癖がつくことで舌が前側に出てきて、舌で前歯を押してしまい、結果的に歯並びが悪くなってしまうのです。
近年では柔らかく飲み込みやすいものを好む食人が増えているため、注意が必要です。
口呼吸
呼吸というのは、本来鼻で行うものですが、口呼吸になっている方は出っ歯になるリスクが高まるので気をつけなければなりません。
鼻呼吸のときは口が閉じているので、唇が歯を舌側に押す力と、舌が歯を唇側に押す力バランス良く保たれていますが、口呼吸で口が開いた状態が続くと、口の中で保たれていたバランスが崩れ、前歯が前方に押されて出っ歯になってしまいます。
口呼吸になるのは癖や、鼻の状態が悪いなどの理由が考えられるので、なるべく早めに改善させたほうが良いでしょう。
出っ歯を放置するとどうなる?
出っ歯が軽度であれば、そこまで気にする必要はありませんが、出っ歯を治さずそのままにしていると以下のように、口や口周りに悪影響を与えてしまう可能性があります。
- ・虫歯や歯周病のリスクが高くなる
- ・前歯を損傷しやすくなる
- ・噛み合わせが悪くなる
- ・発音が悪くなる
- ・顔が老けて見える
出っ歯を放置すると、口の中が乾燥しやすくなり、むし歯や歯周病のリスクが高くなったり、転倒して前歯を損傷したりするリスクも高まるので、歯科医師に相談して改善する方法を検討するのが望ましいです。
出っ歯を自力で治そうとするのは危険!
インターネットで検索すると、出っ歯を自力で治す方法が紹介されており、出っ歯を気にしている人は試してみようと思ってしまうかもしれません。
ですが、出っ歯を自力で治すのは不可能で、かえって以下のようなトラブルを引き起こす危険性があります。
- ・歯を損傷させる
- ・歯の寿命を縮める
- ・歯並びが悪化する
- ・噛み合わせが悪化する
無理に自力で歯を動かそうとすると、正しくない場所に負荷がかかって口周りの状態が悪くなってしまうため、出っ歯を治したいと考えている人は必ず歯科医院を受診するようにしましょう。
出っ歯を治す矯正方法とは
出っ歯を治したいと考えている場合は、まずどんな治療法があるのかを正しく知っておきましょう。
出っ歯を治す治療法として以下の矯正治療が考えられます。
- ・マウスピース矯正
- ・ワイヤー矯正
- ・部分矯正
- ・手術による矯正
治療の方法を詳しく解説していきますので、ぜひ検討してください。
①マウスピース矯正
マウスピース矯正というのは、透明なマウスピース型の装置を使って歯に持続的に力をかけて歯を動かす治療法です。
マウスピースをこまめに取り替え、段階的に無理なく歯を動かすのが特徴で、痛みや違和感を軽減しながら治療ができ、矯正装置が目立ちにくいなどの見た目の良さがあります。
しかし、重度の出っ歯で歯を大きく動かす必要があるときは適応しない場合があるので、診断によっては治療できません。
マウスピース矯正のメリット・デメリット
出っ歯をマウスピース矯正する場合のメリットやデメリットはこちらです。
〈メリット〉
- ・矯正していることがわかりづらい
- ・装置が取り外し可能なため虫歯になりにくい
- ・金属アレルギーでも治療が可能
- ・痛みや違和感が少ない
〈デメリット〉
- ・治療期間がワイヤー矯正よりも長くなる
- ・1日20時間以上装置をつける必要がある
- ・重度の出っ歯には適応できない
装置が目立ちにくいため、近年人気の矯正治療ですが、出っ歯の状態によってはワイヤー矯正の方が適している場合もあります。
②ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は、歯にブラケットと呼ばれる装置を装着し、ブラケットにワイヤーを通して動かしたい方向に向かって歯に適切な力をかけ、徐々に歯を動かしていく治療法です。
強い力を歯全体にかけて動かすため、重度の出っ歯や抜歯が必要なケースにも適応しています。
ワイヤー矯正は下記の2種類があり、装置は治療が終わるまで自由に取り外すことはできません。
ワイヤー矯正のメリット・デメリット
出っ歯をマウスピース矯正する場合のメリットやデメリットはこちらです。
〈メリット〉
- ・重度の出っ歯にも適応できる
- ・抜歯矯正との相性が良い
〈デメリット〉
- ・矯正装置を取り外せないので虫歯になりやすい
- ・矯正装置が目立つ、歯に痛みを感じる場合がある
- ・発音がしづらくなる場合がある
マウスピース矯正と比べると装置が目立ちやすいというデメリットがありますが、裏側矯正で目立ちにくくすることは可能です。
表側矯正
歯の表面ににワイヤーかけてを歯を動かす表側矯正は、出っ歯をはじめとする様々な歯並びに対応でき、一般的な矯正方法であるため実績が多いというメリットがあります。
一方で、歯の表面に装置を装着するため矯正装置が目立ちやすいのが特徴で、出っ歯がコンプレックスの人でも、矯正治療が他の人にバレてしまうのを恐れて、治療を拒むケースも少なくありません。
裏側矯正
歯の裏側にワイヤーをかけて矯正する裏側矯正は目立ちにくいため、出っ歯を治したいけれど矯正を恥ずかしいと感じる人にもおすすめの治療法です。
矯正装置が歯の裏側についているため後ろ方向に歯を動かしやすく、裏側矯正の方が出っ歯の治療に向いているという意見もあります。
ですが、一般的に表側矯正よりも専門性が高く、高度な治療が必要だと言われており、ほかにもワイヤーが舌に当たって発音しづらいというデメリットもあるので注意が必要です。
③軽度であれば部分矯正が可能
出っ歯の症状が軽度の場合、歯並び全体を治す以外に、上顎の前歯を中心に部分的に矯正装置をつけて整える方法が適応になる場合があります。
部分矯正にすると、治療期間が短くなるほか、治療費も安く済ませられるというメリットもあるのです。
ただし、部分矯正は噛み合わせの治療ができないため、出っ歯の状態によっては治療ができない可能性もあります。
○部分矯正が可能なケース
- ・歯と歯が重なり合っている箇所がない
- ・噛み合わせに問題がない
- ・出っ歯の原因が骨格にない
④手術による矯正
出っ歯は矯正治療で改善することが可能ですが、症例によっては矯正治療で改善しないケースもあり、その場合は外科手術を行って出っ歯を治します。
あごの骨を切り、正常な位置に戻す治療で、重度な出っ歯や顎の骨格が原因の場合に有効です。
矯正治療で治せるのか、外科手術が必要なのかは歯並びの状態を見て医師が判断します。
手術による矯正のメリット・デメリット
出っ歯を外科手術によって治療する場合のメリットやデメリットはこちらです。
〈メリット〉
- ・顎の骨格が原因の出っ歯に適している
- ・重度の出っ歯に適応できる
〈デメリット〉
- ・外科手術が必要
- ・手術後に痛みや腫れなどが発生するリスクがある
- ・感染症のリスクがある
- ・ダウンタイム(回復期間)が必要
基本的には、外科治療の前後に歯列矯正をして噛み合わせの調整などを行います。
矯正治療で出っ歯の悩みを解決しよう
出っ歯の矯正治療について解説しました。
歯は一生使う大切なものなので、歯の見た目や機能を回復するために矯正治療を行うのは非常に重要です。
特に、出っ歯はコンプレックスになりやすいため、悩みを抱えている方はぜひ治療方法についての理解を深めていただきたいと思います。
矯正治療にはそれぞれメリット・デメリットがあるため、この記事を参考にしつつ、歯科医師と相談しながら最適な治療法で出っ歯の悩みを解決しましょう。
当院では歯科医師、歯科衛生士の技術、スタッフの人柄、治療費、期間、治療内容、痛みなど様々な事に不安を感じる患者様への気遣いや心配りをし、安心して通って頂ける医院作りを目指します。
<表参道AK歯科・矯正歯科の8つの特徴>
1:正確な診断、根拠に基づいた治療
2:1つの医院で完結
3:豊富な審美、矯正メニューから最適な治療法を提案
4:説明の徹底、質問しやすい環境作り
5:他院で断られた、セカンドオピニオンに対応
6:充実の保証制度、アフターフォロー
7:全室完全個室、カウンセリングルーム完備
8:痛みに配慮した治療
歯列矯正でお悩みの方は、無料カウンセリングも実施しておりますので、ぜひご利用ください。