ナイトガートやマウスピース矯正(インザビライン)をしている人の中には、マウスピースの汚れが落ちなくて困っている人もいるのではないでしょうか。 「毎日きちんとケアをしているつもりなのに、何が問題なんだろう」と悩んでいることでしょう。
この記事では、マウスピースにつく汚れの原因や落とし方をはじめとした、下記のポイントを解説しているので、ぜひマウスピースのケアに役立ててください。
- ・マウスピースの汚れの原因
- ・マウスピースの汚れを放置するとどうなるか
- ・マウスピースの汚れの落とし方
- ・マウスピースを洗う際の注意点
Contents
- 1 ケアしているのにマウスピース汚れがついてしまう原因はなに?
- 2 マウスピースの汚れの正体は?
- 3 マウスピースの汚れを放っておくとどうなる?
- 4 マウスピースの汚れはどうやって落とす?
- 5 流水で水洗いする
- 6 歯ブラシを使って擦り洗いする
- 7 マウスピース専用洗浄液を使う
- 8 超音波洗浄機を使う
- 9 重曹を使う
- 10 重曹とクエン酸を使う
- 11 台所用中性洗剤で洗う
- 12 キッチンハイターを使う
- 13 マウスピースを洗う際の注意点
- 14 お湯を使用しない
- 15 研磨剤の入った歯磨き粉を使用しない
- 16 強い力で擦らない
- 17 マウスピース用以外の洗浄液は使用しない
- 18 マウスピースを洗った後は水気をよく拭き取る
- 19 マウスピース専用ケースに入れて保管する
- 20 マウスピース矯正(インザビライン)・ナイトガード・リテーナーは適切なケアが大切
ケアしているのにマウスピース汚れがついてしまう原因はなに?
毎日使うマウスピースに汚れがついてしまうと、「使い方が悪いのか?」、「ケアの方法が間違っていたのか?」悩んでしまいますよね。 いくらケアしても汚れが落ちなくて、仕方なくそのまま使っているという人もいるでしょう。
まずは、マウスピースの汚れの原因と汚れを放置した結果起きることを解説していくので、自分のマウスピースは何汚れなのかチェックしてみましょう。
マウスピースの汚れの正体は?
汚れの種類が判別できると、何が原因でマウスピースに汚れが付着しているのかがわかるでしょう。 汚れの原因がわかると、マウスピースを最適な方法で洗浄できます。
マウスピースの汚れの種類は、大きく分けて下記の3つです。
- ・白い汚れ
- ・黄ばみ
- ・黒い汚れ
白い汚れ
「マウスピースの洗浄は、毎日水でさっと洗うだけ」という人は、マウスピースに白い汚れが付着しているのではないでしょうか。 マウスピースに付着する白い汚れの原因は、歯垢や歯石です。
マウスピースに歯垢や歯石が付着すると、白く濁ったり、ネバネバやベタベタしたりして悪臭を発します。
歯垢・歯石
マウスピースに歯垢や歯石が付く原因は、歯やマウスピースのケア不足です。
歯垢や歯石は虫歯菌や歯周病菌をはじめとする、細菌の集まりのことです。 口の中に食べかすが残っていると、糖を栄養に酸を排出して、虫歯菌が活動しやすい口腔環境に変化するため、虫歯や歯周病になりやすくなります。
黄ばみ
マウスピースが黄ばんでしまうのは、食べ物や飲み物による着色やたばこのヤニが原因の場合が多いです。 色の濃い食べ物や飲み物を好んで摂取する人や、喫煙習慣がある人はこれらを控えると黄ばみ汚れを軽減できるでしょう。
また、デンタルケア不足でも黄ばみ汚れがつくことがあります。
- ・食べ物
- ・飲み物
- ・たばこ
- ・ケア不足
食べ物
カレーやナポリタンのような色の濃い食べ物は、マウスピースが着色する原因になります。 色の濃い食べ物を食べたあとは、必ず歯磨きやうがいをしてからマウスピースをはめてください。
マウスピースをはめたまま食事を取ると、歯への着色の原因になるので控えましょう。
飲み物
色の濃い飲み物やカテキン、ポリフェノールを含む飲み物は、ステインの原因になります。 着色の原因になる飲みものを飲んだあとは、必ず口をゆすいでからマウスピースをつけてください。
また、豆乳ココアといったイソフラボンを含む飲み物も着色しやすいので注意しましょう。
たばこ
たばこのタールは、マウスピースを黄ばませる原因になります。
どうしても喫煙がやめられない人は、マウスピースを付けたままたばこを吸うのは辞めましょう。 また、iQOSやプルームテック、gloといった電子たばこはタールを発生させないため、紙巻きたばこよりはたばこによる着色を抑えられます。
ケア不足
食事を取ったあと歯磨きをせずにマウスピースをすると、口の中に残った食べものの色素が、マウスピースを汚してしまいます。 ステインによる黄ばみはもちろん、歯垢や歯石が原因の白い汚れの原因になるので、食後は必ず歯を磨いてからマウスピースを装着してください。
会食時など、どうしてもすぐ歯磨きができないときは、水を飲んだりうがいをしたりして、口のなかを少しでも清潔な状態にしておきましょう。
黒い汚れ
「久しぶりに取り出したマウスピースに黒く変色した箇所がある」という場合は、黒カビが生えている可能性が高いです。 また、日常的に使用しているマウスピースでも、濡れて不潔な状態が続くとカビが生えることがあります。
カビが生えると健康被害が出るので、マウスピースの衛生状態や保管状態を見直しましょう。
カビ
マウスピースにカビが生える原因は、ジメジメとした風通しの悪い場所で保管することです。 また、日常的に使用しているマウスピースでも、濡れたままの状態で置いておくと、梅雨時期はカビが生えてしまいます。
マウスピースを洗った後は水気を拭き取り、専用ケースにいれて風通しの良い場所に置いておきましょう。
マウスピースの汚れを放っておくとどうなる?
「マウスピースの汚れが取れない」、「マウスピースを汚れたまま使用すると問題があるんだろうか」と疑問に思っている人もいるでしょう。 そこで、マウスピースを汚れたまま放っておいた際に起きるリスクを紹介します。
マウスピースの汚れを放置することには、下記5つのデメリットがあります。
- ・虫歯
- ・歯周病
- ・口臭
- ・口腔カンジダ症
- ・マウスピースの寿命が短くなる
虫歯
マウスピースの白い汚れを放置すると、虫歯になるリスクが高くなります。
マウスピース装着中は、歯が乾いて虫歯菌が活動しやすい口腔状態です。 そこに、歯垢や歯石がついたマウスピースを付けると、マウスピースの内側で虫歯菌が活発になるので、白い汚れがつかないようにマウスピースをケアしましょう
歯周病
白い汚れは虫歯菌だけでなく、歯周病菌も含んでいるため、歯周病リスクも上昇します。
歯周病になると、歯茎が腫れて膿んだり、口臭が発生したりします。 歯周病によって歯茎が下がると、元通りに戻ることはありません。
口臭
マウスピースの汚れを放置していると、雑菌が繁殖して口臭に発展する可能性があります。
使用したらその都度マウスピースを洗浄・除菌することで臭いの発生は抑えられるでしょう。
口腔カンジダ症
マウスピースのカビを放置していると、口腔カンジダ症になる可能性があります。 口腔カンジダ症は、カビが原因で起こる病気で、痛みや味覚障害を引き起こすため、病院での治療が必要です。
口腔カンジダ症の治療は難しくありませんが、うがいや口腔内の清掃、内服が必要になります。
マウスピースの寿命が短くなる
マウスピースの汚れをそのままにしておくと、劣化が早まってしまいます。 短いスパンでマウスピース交換が必要になるので、その分治療費用が高くなるでしょう。
マウスピースの汚れはどうやって落とす?
今回は、マウスピースケアの方法を8つを紹介するので参考にしてみてください。
- ・流水で水洗いする
- ・歯ブラシを使って擦り洗いする
- ・マウスピース専用洗浄液を使う
- ・超音波洗浄機を使う
- ・重曹を使う
- ・重曹とクエン酸を使う
- ・台所用中性洗剤で洗う
- ・キッチンハイターを使う
流水で水洗いする
最も手軽なマウスピースのケア方法は、流水でマウスピースについた汚れを洗い流すことです。 特別な物を用意したり、時間をかけて洗ったりする必要がないので、汚れが気になったときすぐケアできます。
ただし、マウスピースはお湯で洗うと変形してしまう可能性があるので、水で洗うようにしましょう。
歯ブラシを使って擦り洗いする
白い汚れがこびりついている場合は、歯ブラシを使って擦り洗いしましょう。 歯ブラシを使うことで、歯垢や歯石をしっかり取り除けます。
ただし、マウスピースは強く擦ったり、研磨剤入りの歯磨き粉を使ったりすると傷がついてしまうので注意しましょう。
マウスピース専用洗浄液を使う
手間なくマウスピースをきれいにしたい場合は、マウスピース専用の洗浄液を使うのがおすすめです。 マウスピース専用の洗浄液を使用すると、洗浄だけでなく除菌まで行えるため、イヤな臭いを予防できます。
マウスピース専用の洗浄液は、歯医者やドラッグストア、バラエティショップ等で購入可能です。
超音波洗浄機を使う
歯ブラシだけでは落とせない汚れは、超音波洗浄機をつかってみましょう。
超音波洗浄機は、細かい振動で汚れを浮かせるため、マウスピースの細部の溝まできれいにできます。 超音波洗浄機は家電量販店やネット通販などで購入できるので、チェックしてみてください。
重曹を使う
臭いやタンパク質汚れが気になるときは、重曹を使ってみるのもおすすめです。
コップ1杯分の水に重曹を大さじ2杯いれて重曹水を作り、重曹水にマウスピースを20分程度つけておきます。 重曹水を使用してマウスピースを洗浄すると、タンパク質や酸由来の汚れ、細菌による悪臭を解消できるでしょう。
重曹とクエン酸を使う
重曹単体ではスッキリ汚れが落ちない場合、先ほどの重曹水にクエン酸をプラスしてみてください。
重曹1、クエン酸2の割合で水に溶かし、先ほどと同様20分程度マウスピースをつけ置きしましょう。 重曹とクエン酸が化学反応を起こし、泡のちからでマウスピースの汚れを取り除けます。
台所用中性洗剤で洗う
タンパク質汚れが気になるときは、台所用中性洗剤を使用するのもおすすめです。 食器を洗うために作られているので、強い臭いや身体への悪影響が少ないため、マウスピースも洗いやすいです。
台所用洗剤で洗う場合は、指の腹で優しく洗ってください。
キッチンハイターを使う
マウスピースにカビが生えてしまった場合は、キッチンハイターを使用するという手があります。 ボールなどのなかにマウスピースを入れ、キッチンハイターを水で薄めて15分程度付けておくと、きれいにカビが取れるでしょう。
ただし、基本的には推奨されないお手入れ方法なので、自己責任で行ってください。
マウスピースを洗う際の注意点
マウスピースは樹脂で作られているので、ゴシゴシと力任せに洗ってしまうと破損や変形の恐れがあります。 マウスピースのケア方法を見直す際は、洗い方の注意点をあらためて確認しておくといいでしょう。
ここでは、マウスピースを洗う際に気を付けたいポイントを6つにまとめて紹介します。
- お湯を使用しない
- 研磨剤の入った歯磨き粉を使用しない
- 強い力で擦らない
- マウスピース用以外の洗浄液は使用しない
- マウスピースを洗った後は水気をよく拭き取る
- マウスピース専用ケースに入れて保管する
お湯を使用しない
マウスピースに使用している樹脂は、お湯をかけると変形してしまいます。 変形したマウスピースを使用すると、歯並びの悪化や体調不良につながる可能性があるため要注意です。
温かいお湯を使ってマウスピースを洗いたいときは、40度以下のぬるま湯を使用しましょう。
研磨剤の入った歯磨き粉を使用しない
研磨剤の入った歯磨き粉でマウスピースを洗うと、マウスピースに細かな傷が付いてしまいます。 マウスピースに傷が付くと、より汚れやすくなってしまうので、注意してください。
破損や劣化の原因にもなるので、研磨剤入りの歯磨き粉の使用は控えてください。
強い力で擦らない
マウスピースは非常に薄い素材でできているので、強いちからでこすると変形や破損につながります。 マウスピースを洗うときは、優しく洗うように心がけましょう。
マウスピース用以外の洗浄液は使用しない
マウスピースを洗浄液で洗うときは、マウスピース専用の洗浄液を使用しましょう。
入れ歯用洗浄液などを使うと、マウスピースが痛んでしまう可能性があります。
マウスピースを洗った後は水気をよく拭き取る
マウスピースを洗ったら、水気をよく拭き取って保管しましょう。 濡れたまま保管すると、雑菌が繁殖したりカビが生えたりする恐れがあります。
マウスピース専用ケースに入れて保管する
マウスピースを保管するときは、マウスピース専用のケースに入れて、風通しの良い場所に置いておきましょう。 ジメジメする場所にマウスピースを保管してしまうと、カビが生える原因になります。
また、専用ケースに入れずに保管すると、マウスピースを物で押しつぶしてしまう可能性もあるので注意しましょう。
マウスピース矯正(インザビライン)・ナイトガード・リテーナーは適切なケアが大切
マウスピースに汚れが付着したままだと、さまざまな健康被害を引き起こします。 また、マウスピースの劣化にもつながるため、日々適切なケアを行わなくてはいけません。
歯科矯正や歯ぎしり、食いしばりの負担を軽減するためにマウスピースを使っている人は、マウスピースの適切なケア方法を覚えて、きれいな状態で使えるように心がけましょう。