歯並びが良くても口ゴボになる可能性はあります。
口ゴボになると、見た目的にも良くないので、できるだけ早く直しましょう。
今回の記事では「歯並びが良くても口ゴボになる原因」について解説します。
Contents
- 1 ロゴボとは?
- 2 ロゴボかどうかは「Eライン」で判断
- 3 Eラインでチェックするロゴボは3種類
- 4 ロゴボの原因は?
- 5 遺伝
- 6 口呼吸
- 7 「指しゃぶり」や「おしゃぶり」
- 8 舌のクセ
- 9 歯並びが良くてもロゴボ?
- 10 骨格の問題
- 11 歯の生え方の問題
- 12 唇や軟組織の問題
- 13 ロゴボは自分で治せる?
- 14 ロゴボを放置した場合
- 15 虫歯や歯周病になりやすい
- 16 顎関節症になりやすい
- 17 肩こりや頭痛を引き起こす
- 18 胃腸に負担がかかる
- 19 ロゴボを治す方法
- 20 抜歯をせずに歯を後退させる
- 21 抜歯をして歯を後退させる
- 22 歯を削ってスペースを空ける
- 23 外科手術による方法
- 24 矯正治療でロゴボを改善する方法
- 25 マウスピース矯正
- 26 ワイヤー矯正
- 27 ロゴボは自分に適した治療法で早めに改善しよう
ロゴボとは?
ロゴボとは「口元が盛り上がっている」「鼻の下が長く見える」といった見た目のことです。
出っ歯でないのに口元が前に突き出ていると感じる場合もロゴボに該当します。
ロゴボかどうかは「Eライン」で判断
「Eライン」とは「横顔美人」の判断基準として使われているもので、横顔を見たときに鼻と顎の先端に引いた直線に対して唇が内側に入っている状態が理想的だといわれています。
日本人の場合では、Eラインと上唇が1~2ミリ、下唇はほんのわずか触れる程度が美しいとされています。
Eラインでチェックするロゴボは3種類
Eラインでチェックした場合、ロゴボと判断されるケースは主に3種類あります。
- ・下顎が引っ込んでいるケース…下顎の骨が内側に位置していて下顎のオトガイ部の組織が薄く、エラの下顎角部分の角度が大きく下顎が後下方へと回転しているためロゴボに見える
- ・両唇がEラインより外側にあるケース…上下の歯が前に倒れていて上下の顎が前に出ているため歯も前に位置し、口元を前へ押し出すことによりロゴボ状態になっている
- ・いわゆる「出っ歯」と呼ばれるEラインで上顎がEラインよりも前に出ていて、上の歯が前に出ているケースが多い
ロゴボの原因は?
ロゴボの原因はいろんなケースが考えられ、先天的な原因のものから後天的に日常の生活での癖などが原因のものがあります。
次の4つの原因について解説します。
- ◆遺伝
- ◆口呼吸
- ◆指しゃぶりやおしゃぶり
- ◆舌のクセによるもの
遺伝
遺伝による「ロゴボ」は、両親のどちらかが歯の生え方に問題があり斜めに生えていたり、顎が前に突き出ていたりといった先天的な原因によるものです。
歯の生える方向や歯並びや顎の形は遺伝から引き継ぐ可能性が高いため、両親の歯並びなどが悪いとロゴボになるケースが少なくありません。
しかし、歯の生えている向きがロゴボの原因になっているケースなら矯正治療で治すことができますが、骨格が原因でロゴボになっている場合には手術が必要になることもあります。
口呼吸
口で呼吸するクセのある人は、口呼吸が原因でロゴボになる場合があります。
通常、鼻で呼吸する場合には口の周りの筋肉が口が開かないようにストッパーとして働いているため閉じていますが、口呼吸をしている場合は筋肉が働きません。
使わない筋肉は衰えてしまうため、日常的に口呼吸をしていると口の周りの筋肉はどんどん弱っていくことになります。
筋肉が弱ると一層口を開けているようになるため、口元が突き出るロゴボが一層進行することになります。
「指しゃぶり」や「おしゃぶり」
子どもの時に「指しゃぶり」をしていたり、「おしゃぶり」を長期間使っていたりする場合も後天的にロゴボになる原因の1つとして考えられます。
子どもの歯は大人の歯に比べて安定していないため、指しゃぶりやおしゃぶりといった外的刺激に影響を受けやすいです。
指しゃぶりやおしゃぶりをしているとき、口の中では「舌で歯を押し付ける」状態になっているため、その圧力が歯に加わってしまい内側から押し出されるように斜めに歯が生えて、ロゴボへと進行する可能性が大きいです。
舌のクセ
舌が前歯にあたっていることや、舌を前歯に押し当てるクセ、舌が前歯を押す位置にあることもロゴボになる原因です。
歯が前歯の裏側に当たっているときや少し動かせば前歯の裏側に当たってしまう場合、無意識のうちに舌で歯を押してしまうためです。
特に口呼吸で口の周りの筋肉が緩んでいると、内側から押される力が加わっても防ぐことができず、どんどん歯が出てしまうこともあります。
歯並びが良くてもロゴボ?
歯並びが良くても口元に突出している感があり、いわゆる「ロゴボ」で悩んでいる人も少なくありません。
歯並びが綺麗であることと、横顔が綺麗であるいことがイコールではないため、歯並びは良いのに「ロゴボ」であるというケースが起きてしまいます。
歯並びが良くても「ロゴボ」になる原因には以下のことが考えられます。
骨格の問題
骨の異常による「骨格性」と呼ばれる上顎、上下顎前突による「ロゴボ」は、上顎の歯が並ぶ骨が狭かったり、下顎が前に成長できない場合によるものです。
そもそもの骨格による場合も多いですが、上顎が歯が並べないほど狭かったり、下顎の成長が伴っていなかったりする場合は、幼少期に硬いものを食べなかったり、顎をしっかり使えていなかったりといった食生活や習慣によって成長が抑制された場合も大きな要因です。
特に洋食化によって子どもの頃から柔らかいパンが主食だったり、スナック菓子など噛み応えの少ない食生活は顎の成長と大きな関係があります。
骨格に問題のある場合でも矯正治療によって改善が見込める場合もありますが、場合によっては「外科矯正」という「顎の骨を切る」手術が必要になる場合もあります。
歯の生え方の問題
前歯の傾斜による「ロゴボ」や「出っ歯」は「歯槽性上顎前突」といい、歯の生え方や歯の向きが問題です。
これは、幼少期の指しゃぶりや口で呼吸をする「口呼吸」が原因の場合と舌で歯を前に押す「舌癖」などが原因で起こるもので後天的な上顎前突です。
このような場合の有効な治療法としては主に「歯列矯正」が考えられます。
しかし、癖や習慣によるところが大きいため矯正後の「後戻り」に拍車をかけないように指しゃぶりや爪を噛むなどの「習癖」や舌で歯を押してしまったり、舌が歯にすぐ着く位置にある「舌癖」を合わせて改善する必要があります。
唇や軟組織の問題
歯や骨には問題がなく、「唇が分厚い」「口元の皮膚が厚い」などといった場合のロゴボは唇や軟組織の問題で、逆に顎の皮膚や筋肉といった軟組織が薄い場合も口が盛り上がって見えることがあります。
このようなケースの場合は、表情筋トレーニングやダイエットで変化することもありますが、唇の厚みや顔の造形などの改善は遺伝的な要素も大きいため、改善が難しくもあります。
唇や皮膚や年齢を重ねていくにつれて薄くなる場合もありますが、どうしても改善したい場合は歯列矯正である程度口元を引っ込めたり、美容整形を視野にいれたりする必要があります。
ロゴボは自分で治せる?
結論から申し上げますと自分自身で治療することは難しいです。
ごく軽度の症例であるならば、「表情筋のトレーニング」や「ダイエット」で改善できるケースもゼロではありませんが、このような症例に該当するケースは稀です。
「ロゴボ」や「出っ歯」で悩まれているほとんどの方は、「軟組織」が原因であるため、そうなると矯正治療や場合によっては美容整形での治療が必要となります。
そういった治療をしながら、口呼吸や舌で歯を押してしまう悪習慣を改善していく自分自身での努力も重要です。
ロゴボを放置した場合
「ロゴボ」は必ずしも治療が必要なのでしょうか。
見た目がとくに気にならないのであれば、治療しなくてもいいのかというと、そうではなく、放っておくと別のトラブルにつながる可能性があります。
ここでは「ロゴボ」をそのまま放置した場合について解説します。
虫歯や歯周病になりやすい
ロゴボをそのまま放置していると、「虫歯や歯周病になりやすくなる」というリスクがあります。
ロゴボの人は歯並びが「デコボコ」していることが多いため、歯ブラシがしっかりと当たらず、歯垢や汚れが残ってしまい、その結果虫歯や歯周病に罹患する可能性が高くなります。
また、かみ合わせも悪い状態のため、口唇が閉じづらく開きがちで口呼吸しているケースが多くみられます。
口呼吸していると口腔内が乾きやすいため、ドライマウスにより唾液による自浄作用があまり働かずに口腔内の細菌の繁殖を促してしまいます。
歯並びが良い場合でもロゴボを招いた習慣によって、虫歯や歯周病にかかりやすくなるケースもあります。
顎関節症になりやすい
ロゴボを放置すると「顎関節症」になりやすいというリスクもあります。
ロゴボではかみ合わせが良くないため、食べ物を噛むたびに奥歯や顎に負担がかかりやすく、顎関節症になりやすいです。
肩こりや頭痛を引き起こす
ロゴボを放置すると「肩こり」や「頭痛」を引き起こします。
歯並びも悪く、かみ合わせも良くないため、左右均等に同じ力で噛むということができず、奥歯や顎に負担がかかって肩こりや頭痛へとつながります。
胃腸に負担がかかる
ロゴボを放置してしまうと、胃腸にも負担をかけることになります。
ロゴボの人の多くは「かみ合わせ」が良くない場合が多く、咀嚼がうまくできないことから、十分な咀嚼がされない状態で飲み込むため、胃腸に負担がかかります。
ロゴボを治す方法
ロゴボを治す方法にはどのような治療法があるのか解説します。
抜歯をせずに歯を後退させる
ロゴボを治す方法の一つとして、抜歯を行わずに突出した前歯を含む歯列を後ろへと下げる方法があります。
具体的には、一番後ろにある奥歯をさらに奥へと今の位置から移動させることにより、前歯を後ろへ下げるためのスペースを確保することを可能にします。
この方法によって、スペースを確保することができたら、歯並びを整えるために抜歯をしなくても良いというメリットがあります。
ただし、親知らずがある場合は事前に抜歯しておくことが必要です。
奥歯を後ろに下げるといってもスペースに限界があるので、歯を抜いてスペースを作る方法に比べると、大きなスペースの確保は難しくもあります。
顎の大きさに十分なゆとりがある場合や、歯の重なりが少なくてスムーズに前歯を奥に下げることが可能だと見込めた場合には適用できることが多い治療法です。
抜歯をして歯を後退させる
歯列を後ろに下げることで十分なスペースを確保することが難しい症例のロゴボの場合には、抜歯を行ってスペースを空けて確保する必要があります。
この方法をする場合、抜歯を行う歯は基本的には小臼歯になることが多いです。
小臼歯とは、歯を前から数えていったときに4番目または5番目にある歯のことをさします。
ロゴボで前歯がかなり突出している場合や、前歯以外の歯並びがかなり大きく重なりあってしまっている場合には、この抜歯をして歯を後退させる治療法を選択します。
歯を削ってスペースを空ける
口元が突出してしまったロゴボを治療するには、歯を削ってスペースを作りだして前歯を後ろに下げるという方法も選択肢の一つです。
これは、隣の歯とぶつかっているエナメル質の部分を少し削ることで歯の横幅を細くし、歯を並べるスペースを確保する方法で、「IPR」(Interproximal Enamel Reduction) といいます。
数ミリ単位で少しずつ隙間を作りだしますが、虫歯や歯がしみたりといった心配のない範囲のみなので、削る範囲は限られています。
外科手術による方法
ロゴボが重度の症例の場合、外科手術による治療法が適用になる場合があります。
顎の骨切りを行って、突出している口元を後ろに下げることで、ロゴボを改善します。
矯正治療でロゴボを改善する方法
マウスピース矯正やワイヤー矯正などの矯正治療でロゴボを治療する方法について解説します。
マウスピース矯正
マウスピース矯正は透明なマウスピース型の矯正装置を装着することによって、少しずつ歯を動かしていき、ロゴボを改善していく治療法です。
ワイヤー矯正よりも痛みや違和感が少ないといわれており、軽度の症例であれば費用や期間も抑えて改善できるというメリットがあります。
自身の症例がマウスピース矯正で治療が可能であるかは歯科医師に相談してみましょう。
マウスピース矯正の費用相場は約60~100万円で、治療に要する期間の目安は1~2年程度ですが、治療の範囲によって異なります。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は歯にブラケット型の矯正装置を装着し、そこへワイヤーを通して歯を動かしていく治療法です。
矯正治療の方法として最も長い歴史があり、歯科医師の技術も安定しています。
歯を大きく動かす必要がある症例の場合は、マウスピース型の矯正よりもこちらの方が適しているといえます。
ワイヤー矯正はブラケットを歯の裏側につける方法もあり、表側に装着する方法よりも高度な技術が必要となります。
ワイヤー矯正の費用相場は60~130万円、治療期間の目安は約2年程度です。
ロゴボは自分に適した治療法で早めに改善しよう
ロゴボのさまざまな原因と治療法について紹介しました。
ロゴボをそのままにしておくとリスクやトラブルが不調となって表れてきます。
そうならないように、自分に適した方法で早めに改善していきましょう。