笑ったときに露出する歯茎が多い状態をガミースマイルといいます。
ガミースマイルがコンプレックスだと感じている方は少なくありません。
周りの人は自分が感じるほど気にしていないこともあるでしょう。
しかし自分が気にしていたら思い切り笑うことができなくなってしまいます。
この記事では、ガミースマイルをコンプレックスに感じている場合の改善方法を解説しますので、ぜひ参考にしてください。
Contents
- 1 ガミースマイルとはどんな状態?
- 2 ガミースマイルを放っておくとどうなる?
- 3 見た目が気になる
- 4 口臭の原因となる
- 5 むし歯や歯周病になりやすい
- 6 欧米でネガティブな反応を受けるリスク
- 7 ガミースマイルは治療ができる?
- 8 歯科矯正
- 9 美容整形
- 10 ガミースマイルになる原因
- 11 骨格
- 12 口の周りの筋肉
- 13 歯の大きさや歯茎の発達
- 14 ガミースマイルにはどんな治療法がある?
- 15 歯列矯正
- 16 アンカースクリュー
- 17 歯肉の切除・整形
- 18 ボトックス注射
- 19 歯冠長延長術
- 20 上唇粘膜切除術
- 21 上顎骨切り術
- 22 ガミースマイル治療で外科処置をした場合の注意点
- 23 激しい運動は避ける
- 24 麻酔が切れるまで食事をしない
- 25 数日は腫れや痛みがあるので予定を入れない
- 26 ガミースマイルの治療にはリスクがあることを把握しておく
- 27 ボトックス治療のリスク
- 28 歯科矯正治療のリスク
- 29 切開法治療のリスク
- 30 ガミースマイルは自力で治すことも可能?
- 31 ガミースマイル改善トレーニング
- 32 まずは自分の状態を正しく把握することから
ガミースマイルとはどんな状態?
ガミースマイルとは、口を開けて笑ったときに歯茎が目立ってしまう状態のことを指す言葉です。
一般的には歯茎の露出が3ミリ以上になった場合にガミースマイルと診断されます。
それ以下の場合はガミースマイルに該当しません。
ガミースマイルを放っておくとどうなる?
ガミースマイルを治療せずに放っておいた場合にはどんなデメリットがあるでしょうか。
デメリットについて解説します。
見た目が気になる
放置による最大のデメリットは見た目が気になることです。
何らかの治療をしないままだと歯茎が目立つ状態は変わりません。
そこで外見的な悩みが大きくなるでしょう。
笑うときに口元を隠すクセがついたり、思い切り笑うことができなくなったり、性格も内向的にシフトしたりする可能性があります。
口臭の原因となる
ガミースマイルは口臭の原因となるのがデメリットです。
ガミースマイルだと口が閉じにくいため、口の中が乾燥しやすい状況になります。
口の中は自浄作用のある唾液によって乾燥しない環境が保たれている状態です。
しかしガミースマイルにより口の中が乾燥していると唾液の効果が発揮されないため、細菌や食べかすが洗い流されずに口臭の原因になります。
むし歯や歯周病になりやすい
ガミースマイルはむし歯や歯周病になりやすいのもデメリットです。
噛み合わせや歯並びが原因でガミースマイルになる人もいます。
噛み合わせや歯並びに問題があると歯ブラシが行き届きません。
キレイに汚れや歯垢を除去ないと、むし歯や歯周病のリスクが高まります。
欧米でネガティブな反応を受けるリスク
ガミースマイルには欧米でネガティブな反応を受けるリスクがあるのもデメリットです。
欧米は日本よりも歯に対しての意識が高いため、歯並びが悪いと就職や結婚にも影響を及ぼすことがあります。
欧米人は骨格の違いから「ガミースマイル」が発生する割合が少なめです。
笑ったときに歯茎が目立つと、驚かれてネガティブな反応をされる可能性があります。
ガミースマイルは治療ができる?
原因によって方法は異なりますが、ガミースマイルは治療ができます。
ただし、保険診療の対象外なので基本的に自由診療です。
歯科矯正
ガミースマイルは歯科での治療が可能です。
マウスピース矯正・ワイヤー矯正による矯正治療・インプラント矯正・外科的手術といった治療方法があります。
美容整形
美容整形クリニックでもガミースマイルの治療が可能です。
美容整形での治療法には、ボトックス注射や外科的手術などがあります。
ガミースマイルになる原因
ひとことで「ガミースマイル」といっても「笑ったときに歯茎が目立つ」という共通点があるだけで、引き起こしている原因は個々によって異なります。
ガミースマイルには遺伝の要素もあります。
しかし家族にガミースマイルの人がいても、遺伝するとは限りません。
生活習慣が積み重なってガミースマイルになってしまう場合もあります。
ここでは、ガミースマイルの主な原因としてあげられる3つを紹介します。
骨格
骨格が通常よりも過剰に成長した場合や、逆に成長が乏しく小さすぎる場合、ガミースマイルを引き起こすことがあります。
具体的には上顎の過剰な成長・下顎の成長不良などです。
近年はパンなど柔らかい食べ物が多いため顎の発達が追い付かず、永久歯が生える十分なスペースがない方も少なくありません。
骨格は遺伝もありますが、上記のような成長過程の食習慣や口呼吸の習慣などが原因となる場合も多いです。
唇を噛むクセや下顎に肘をついたりするクセが骨格を乱すきっかけとなって、ガミースマイルを引き起こすケースもあります。
口の周りの筋肉
口の周りの筋肉も、ガミースマイルになる原因のひとつです。
上唇(じょうしん)と鼻翼(びよく)を引き上げる「上唇挙筋(じょうしんきょきん)」と呼ばれる筋肉が発達しすぎると、上唇がめくりあげられてガミースマイルになってしまいます。
特に若い時は筋肉も若いので、引っ張る力が強くガミースマイルになりやすいです。
その場合、加齢とともに筋肉の力が和らぎ、ガミースマイルが落ち着くといったこともあります。
歯の大きさや歯茎の発達
歯の大きさや歯茎の過剰な発達も、ガミースマイルの原因です。
歯茎が過剰に発達して歯冠に覆い被さってしまったり、歯が小さくて歯茎が目立ってしまったりといった状況でガミースマイルになる人もいます。
ガミースマイルにはどんな治療法がある?
ガミースマイルの主な治療法は、矯正治療・切開法治療・薬剤治療の3つです。
これらの治療法を用いて「歯の位置を調整する」「唇の位置を改善する」「歯の長さや見え方を調整する」といったアプローチをします。
歯列矯正
歯列を矯正することで歯の位置が調整され、ガミースマイルを改善する治療法です。
矯正の種類には、ワイヤー矯正・マウスピース矯正・インプラント矯正があります。
歯列矯正はガミースマイルだけでなく、全体の歯列を改善できる点がメリットです。
しかし矯正治療は1年半~2年程度と治療期間が長くなるというデメリットがあります。
アンカースクリュー
アンカースクリューとは、歯科矯正用のチタン製の小さな医療用ネジのことを指します。
これを引っ張る土台として、効率的に歯を動かす治療法です。
1990年代後半から登場した比較的新しい治療法で、矯正期間を短縮でき、歯の動かし方の可能性を広げられます。
アンカースクリューは、抜糸をせずに矯正ができる点も大きなメリットです。
歯肉の切除・整形
歯肉のバランスを調整することで、前歯の見える部分を大きくする方法です。
歯肉を切り取って形を整えるので、治療が短期間で済むのが大きなメリットと言えます。
ただし、切り取る歯肉が歯根に近い部分になるため、知覚過敏を引き起こしてしまうのがデメリットです。
ボトックス注射
ボトックス注射とは、ボツリヌストキシンという細菌から作る製剤を使って、筋肉の動きに制限をかける治療法です。
効果は一定期間に限られるため、半年程度でだんだんと薄れてきます。
そのため、継続的にボトックス注射を行っていかないと効果が保てません。
また表情が不自然になる・アレルギーのリスクがあるなどデメリットもあります。
歯冠長延長術
歯冠長延長術(クラウンレスニング)とは、歯肉の形成外科によって歯肉を除去し、相対的に歯を大きく見せる手術です。
歯茎の過剰発達が原因でガミースマイルになっている場合、大きすぎる歯肉を調節することで歯周ポケットなどの健康状態を保てます。
上唇粘膜切除術
上唇粘膜切除術とは、上唇の内側と歯茎をカットして短く縮める治療法です。
上唇の動く範囲が制限されて上がらなくなるため、ガミースマイルが改善します。
手術にかかる時間は60分程度です。
身体への負担が比較的少ない方法ですが、術後数日間は上唇の裏側が腫れることがあります。
また、術後に上唇を上げすぎると傷口が開いてしまうことがあるため、注意が必要です。
上顎骨切り術
上顎骨切り術という外科手術は、ガミースマイルの治療の中でも大掛かりな治療法に分類されるでしょう。
上顎が過度に長く成長してしまっていたり前方に突出してしまったり、といった異常が骨格にある場合、この治療法が必要になることが多いです。
出っ張っている上顎の骨を切ることで正常な位置やサイズに整えられるので、骨格の不調和が改善されます。
そのため、ガミースマイルだけでなく横から見た顔のシルエットも綺麗になる方法です。
骨を切っているので再発はありませんが、一般的な歯科医院で対応できることはほとんどないため、「口腔外科」や「美容外科」での治療となります。
ガミースマイル治療で外科処置をした場合の注意点
ガミースマイルの治療法のうち、半分は外科的な治療によるものです。
骨や歯肉を切るなどの外科処置をした場合に注意しなければならないことを紹介します。
激しい運動は避ける
手術の当日や翌日などは激しい運動などを避けましょう。
運動で身体が温まると体内の血流が活発になり、出血や痛みが出やすくなるからです。
ガミースマイルの外科処置では、骨を削ったり、歯肉を切除したりしていますので、このタイミングでの激しい運動は避けるようにしましょう。
麻酔が切れるまで食事をしない
傷や出血の原因となりますので、麻酔が切れるまで食事は控えるようにしましょう。
麻酔が効いている間は口腔内の感覚が麻痺している状態なので、頬などを噛んでしまう可能性があります。
患部にダメージを与えないように、硬いものを食べるのは避けてください。
歯磨きを行う際も、強くこすりすぎないように注意しましょう。
数日は腫れや痛みがあるので予定を入れない
骨や歯肉を切ったり、縫ったりしているので、術後は腫れる可能性があります。
痛みが出ることも予想されますので、数日は外出など避けた方が無難でしょう。
ガミースマイルの治療にはリスクがあることを把握しておく
ボトックス治療のリスク
ボトックス注射での治療には、筋肉が動かなくなることによって表情が不自然になってしまうというリスクがあります。
なぜなら、ボトックス注射は筋肉の動きに制限をかけるため、表情に及ぼす影響が大きく注入した患部の筋肉が動かないことで違和感を与えるおそれがあるからです。
また、ごく稀にですがボトックスに対してアレルギーを発生する可能性もあります。
もしもアレルギーを発生した場合はかゆみや赤みが現れるので、そういった症状が出たらすぐにクリニックへ連絡を入れましょう。
歯科矯正治療のリスク
ガミースマイルの歯科矯正治療では、効果や変化が見られないといったリスクがあります。
矯正治療は長い期間を要するため、どの時点で効果や変化がなく治療方針が適切でないという判断をするかがとても難しいです。
また、逆に動きすぎてしまったことによって、「顎関節症」など新たな問題が発生してしまうケースもあります。
矯正治療を始めてからのトラブルを避けるためにも、手前の検査やカウンセリングがとても重要です。
切開法治療のリスク
切開法治療は、大掛かりな外科的処置を伴うためリスクも大きくなります。
歯茎の見え方や唇の形が不自然に変わる、といったリスクがあるでしょう。
また骨格に大きな影響を及ぼす手術で失敗があった場合には、口の開閉が困難になるなど健康被害につながるような事態にもなりかねません。
処置が大きくなるほどリスクも高まるため、十分な検査や準備が必要であることを把握しておきましょう。
ガミースマイルは自力で治すことも可能?
ガミースマイルは骨格や筋肉の仕組みといった身体の構造的な問題が原因となっているため、自分自身で治療を行うことは困難です。
根本的な原因を解消するためには、専門的な治療が必要になります。
ガミースマイル改善トレーニング
根本的な治療はセルフでは難しくとも、ガミースマイルを引き起こしている原因によっては自身のトレーニングや工夫次第で目立たなくすることができるかもしれません。
笑い方を工夫する
笑い方を研究して、変えることでガミースマイルを緩和できる場合があります。
歯茎が目立ちにくい笑い方を練習してみましょう。
顔の筋肉をストレッチする
顔の筋肉を動かして柔軟にすることでガミースマイルを緩和することができます。
表情筋トレーニング・顎のまわりのストレッチ・顔ヨガなど、隙間時間を上手に使って、顔の筋肉を動かしてストレッチしましょう。
まずは自分の状態を正しく把握することから
笑うときに歯茎が目立つと悩んでいる方は少なくありません。
しかし、ガミースマイルは原因をきちんと把握して適切な治療を行えば改善できます。
ガミースマイルを引き起こしている原因や自分の歯の状態を正しく知ることが、治療のスタートです。
治療方法や期間、費用など、まずは歯科医院で相談することからはじめてみましょう。