裏側矯正中は痛みを感じることがあり、強い痛みに不安を覚えることもあるでしょう。眠れないほどの痛みが出たり、うまく食事が取れなかったりとストレスを感じる方も少なくありません。
歯並びや噛み合わせを改善するための治療とはいえ、できれば痛みを感じずに治療を受けたいと考えている方がほとんどでしょう。
そこで今回は、裏側矯正の痛みについて解説します。痛みが出ている際の対処法や、原因もあわせて解説するので、矯正治療の痛みでお困りの方はぜひ参考にしてください。
Contents
裏側矯正が痛いと感じるときの対処法5選
裏側矯正中に痛みを感じると、治療に対して不安を覚えたり、私生活に影響が出たりと不便を感じることがあります。裏側矯正で痛みを感じるときは、我慢せずに次に紹介するような方法で対策を取りましょう。
- 炎症を冷やす
- 矯正用ワックスを使用する
- 鎮痛剤を服用する
- 食事に注意する
- 矯正歯科でワイヤーを調整してもらう
では、それぞれの方法を詳しく解説します。ただし、痛みに不安を覚える場合や、我慢できないような痛みが続く場合は歯科医院へ連絡して確認してもらいましょう。
①炎症を冷やす
歯を積極的に動かしている期間に感じる痛みには、患部を冷やすことも有効です。保冷剤や氷を薄い布で包み、患部に当てて冷やしましょう。寝る前やお風呂上がりなど、身体が温まると痛みがでやすくなるため、冷やすとで痛みが和らぐでしょう。
ただし、頻繁に冷やしてしまうと血流が弱くなり、周辺組織の炎症を利用して歯を動かす矯正治療の効果が弱まることが考えられます。痛みを事前に回避するために、長時間冷やし続けるなどの行為は避けましょう。
②矯正用ワックスを使用する
ワイヤー矯正の装置が舌に当たって痛い場合は、矯正用ワックスで装置を覆って対策しましょう。ワイヤーが頬に刺さっているときに痛みは様子を見ていても軽快することが少なく、そのまま放置していると出血する恐れがあります。
矯正用ワックスは適量を丸めて、痛みが出ている箇所の装置を覆うようにして使用します。矯正用ワックスは、矯正治療開始時に歯科医院でもらえることが多いため、なくさないよう保管しておきましょう。
③鎮痛剤を服用する
どうしても耐えられないほどの痛みや、不安を覚えるような痛みが続くときは、鎮痛剤を服用して様子を見ましょう。矯正器具によって歯に圧力がかかると、歯の周りの骨が吸収と再生を繰り返すため炎症が起き、矯正治療はこの炎症を利用して歯を動かします。
しかし、痛み止めを頻繁に服用すると歯周組織の炎症を抑えるため歯の動きが鈍る恐れがあります。鎮痛剤を服用するときは、医院で処方されたものだけにするか、歯科医師に相談してから服用するようにしましょう。
④食事に注意する
ワイヤー調整後は痛みが出やすいため、硬い食べ物を避けるようにしましょう。無理せず少ない力で噛み切れる蒸しパンや豆腐、おかゆ、うどんなどの柔らかい物がおすすめです。歯ごたえのある物や硬い物を食べると痛みが増すこともあるので、注意が必要です。
ただし、痛みを避けるために装置が付いていない部位だけで食事を取ったり、柔らかい物だけを食べたりすると、顎の筋肉バランスが崩れる恐れがあります。矯正治療に悪影響となるケースもあるため、様子を見ながら適度に歯ごたえのある物も食べるようにしましょう。
⑤矯正歯科でワイヤーを調節してもらう
裏側矯正中は装置が舌や粘膜に触れる時間が長いため、ワイヤー処理が甘いと尖って舌や粘膜に刺さり痛みを覚えやすくなります。ワイヤーが粘膜にあたり感じる痛みは様子を見ても軽快しないことが多いため、自己判断せずワイヤーの調整など適切な処理を受けましょう。
また、調整で歯科医院を訪れたときは、その場で舌や頬を動かしてワイヤーが当たっていないか入念に確認することも大切です。歯列矯正に関して心配なことや疑問に感じることがあれば、小さなことでも医師に相談するようにしましょう。
裏側矯正の痛みはいつまで?
裏側矯正でもっとも痛みを感じやすいのは、はじめて矯正装置を付けた日から1週間ほどです。痛みには個人差がありますが、歯と歯が少し触れるだけで痛みを感じる方もいます。その後は徐々に痛みが和らぎ、食事が取りやすくなるでしょう。
また、個人差がありますが、ワイヤー調整後も数日間痛みを覚えることがあります。矯正装置を付けた初日ほどの痛みは感じないことが多いものの、うまく食事が取れなくなることがあるでしょう。どうしても痛みを避けたい予定などがある場合は、事前に歯科医師へ伝えておくと安心です。
裏側矯正が痛いと感じる原因
裏側矯正で痛みを感じる原因には種類があり、原因ごとに対処法が異なります。裏側矯正中に痛みを覚える原因は、主に次のような3つが挙げられます。
- 歯茎に炎症がある
- 矯正器具が当たっている
- 虫歯がある
では、それぞれの原因を詳しく見ていきましょう。痛みに不安を覚える場合は原因を自分で判断せずに、歯科医院へ相談するようにしましょう。
歯茎に炎症がある
裏側矯正で痛みを感じる場合、歯茎に炎症が起きているかもしれません。裏側矯正は歯の裏側に装置が付くため、汚れが付いているか確認しづらいデメリットがあります。汚れがたまり続けると炎症が起こりやすくなり、歯肉炎になるリスクが高まります。
歯茎の炎症を避けるためには、これまでよりも丁寧な歯磨きを心がけましょう。自分で確認できない部位は、歯科医院で定期的にクリーニングを受けると清潔な状態を保てます。
矯正器具が当たっている
矯正器具が舌や粘膜に当たっていると、痛みを感じやすくなります。とくに、裏側矯正をはじめたばかりの頃は、器具に慣れず舌に引っ掛かり傷ができてしまうこともあるでしょう。矯正器具に慣れはじめると痛みが和らぐため、様子を見るようにしましょう。
ただし、ワイヤー処理が甘いことによる痛みは、様子を見ても軽快しないことがあります。歯科医院での調整後に粘膜や舌に当たるような感覚がある場合は、遠慮せずに伝えるようにしましょう。
虫歯がある
矯正治療中は装置によって汚れがたまりやすく、どうしても虫歯リスクが高くなります。そのため、矯正治療による痛みではなく、虫歯が進行して痛みが出ていることも考えられるでしょう。
矯正中はこれまでよりもしっかり歯磨きするように心がけ、口内を清潔な状態に保つことが重要です。また、歯科医院で定期的にクリーニングを受け、矯正中の正しいブラッシング方法を身に付けておくと、虫歯の進行を防げます。
まとめ
裏側矯正中の痛みについて解説しました。矯正治療は、硬い顎の骨のなかにある歯を動かすため、完全に無痛で治療を終えることは難しいでしょう。
しかし、痛みを和らげる方法や対策はたくさんあるため、過剰に心配する必要はありません。矯正治療に関する不安やお悩みは、かかりつけ医に気軽に相談するようにしましょう。
表参道AK歯科・矯正歯科では歯並びや噛み合わせだけでなく、口元・筋肉・顔貌のバランスを総合的に診査し、一人ひとりに合う治療を提案しています。治療内容や治療期間・費用・痛みなど、矯正治療に関するさまざまな不安を感じている患者さまへの配慮を徹底し、安心して通院いただける医院を目指しております。単なる歯科治療ではない「美」を追求したい方は、表参道AK歯科・矯正歯科へお気軽にご相談ください。