歯列矯正は歯に圧力をかけて歯を動かす治療のため、少なからず痛みがともなうことが考えられます。眠れないほどの痛みを感じることもあり、お困りの方も多いのではないでしょうか。
しかし、いくら治療とはいえできれば痛みを感じず、治療を続けたいと考えている方がほとんどでしょう。
そこで今回は、歯列矯正中に痛みを感じたときに対処法について解説します。痛みの原因もあわせて解説するため、歯列矯正の痛みでお困りの方はぜひ参考にしてください。
Contents
歯列矯正が痛いと感じるときの対処法
歯列矯正で痛みを感じるときは、我慢せずに以下のような対処してみましょう。ただし、我慢できないような痛みが続くときや、眠れないほど痛みが強い場合は、すぐに歯科医院へ連絡し口腔内を確認してもらいましょう。
- 矯正用ワックスを使用する
- 硬い食べ物を避ける
- 痛み止めを服用する
- 歯科医院で相談する
- 患部を冷やす
では、それぞれくわしく解説します。
①矯正用ワックスを使用する
ワイヤー矯正の装置が頬や舌にあたって痛い場合は、歯科医院でもらえる矯正用ワックスで保護すると痛みが和らぎます。ワイヤーが頬に刺さっているときに痛みはそのまま放置していると出血することもあります。
矯正用ワックスは適量をまるめ、痛みがでている箇所の装置にそっと押し付けるようにして使用します。ただし、食事や歯磨きで簡単に外れてしまうので、痛みがでている期間はワックスを付け替える必要があります。
②硬い食べ物を避ける
歯に痛みがでているときは、前歯に力が入らず噛み切れないことがあります。調整後は無理せず少ない力で噛める蒸しパンや豆腐、おかゆなど柔らかいもの中心の食事を取り、硬いものを避けるようにしましょう。ただし、柔らかいものばかりを食べていると顎の筋肉バランスが崩れてしまいます。痛みが治まってきたら適度に歯ごたえのあるものを食べるようにしましょう。
③痛み止めを服用する
歯に圧力がかかると、歯の周りの骨が吸収と再生を繰り返すため炎症を起こします。この吸収と再生を利用した治療が歯列矯正ですが、どうしても耐えられないほどの痛みが続くときは鎮痛剤を服用しましょう。しかし、市販の痛み止めを頻繁に服用すると、歯周組織の炎症を抑えるため歯の動きが鈍ってしまうことが考えられます。鎮痛剤を服用するときは、念のため医院で処方されたものだけにするか、市販のものであれば医師に確認するようにしましょう。
④歯科医院で相談する
さまざまな処置を施しても痛みが軽減されない場合や「死ぬほど痛い」などと痛みに不安を覚える場合は、医師に相談するようにしましょう。自己判断せずワイヤーの調整やマウスピースの確認など、適切な処理を受けると痛みの原因もわかり安心です。また、歯列矯正に関して心配なことや疑問に感じることがあれば、小さなことでも医師に相談するようにしましょう。
⑤患部を冷やす
歯が動いていることによって感じる痛みには、痛みがでている部分を冷やすことも有効です。保冷剤や氷を薄い布で包み、冷やして様子を見てみましょう。お風呂上りや寝る前など、身体が温まると痛みがでやすいので、痛みで眠れないときに有効です。ただし、あまりにも頻繁に冷やしてしまうと矯正力が弱まることが考えられます。痛みを事前に回避するために、長時間冷やし続けるなどの行為は避けましょう。
歯列矯正中の痛みの原因
歯列矯正中に感じる痛みには種類があり、原因ごとに対処法が異なります。歯列矯正中に痛みを感じる原因は、主に以下の3つが挙げられます。
- 歯が動く際の痛み
- 器具が粘膜に当たる痛み
- 食べ物を噛む際の痛み
では、それぞれのくわしく見てみましょう。痛みが続いている場合や、不安を覚えるほどの痛みがある場合は、できるだけ早めに歯科医院を受診することも大切です。
①歯が動く際の痛み
矯正中に感じる痛みでもっとも多いのは、歯を積極的に動かしている際の痛みと考えられます。痛みの感じ方には個人差が「歯が浮いたような痛み」「うずくような痛み」などと表現されます。なかでも、ワイヤー矯正で調整したあとの数日間は、歯の周辺組織が吸収と再生を繰り返し炎症が起きている状態なので痛みを感じやすくなります。ある程度の痛みを感じるということは、歯がしっかりと動いている証拠のため、多少の我慢は必要かもしれません。どうしても我慢できない痛み、眠れないほどの痛みが続く場合は、医師に相談するか患部を冷やすなどして対処しましょう。
②器具が粘膜に当たる痛み
矯正中は装置が粘膜に触れる時間が長いため、痛みを感じることがあります。とくに、ワイヤー矯正では奥歯のワイヤー処理が甘いと尖って粘膜に刺さり痛みを覚えやすくなります。ワイヤーが刺さって感じる痛みは様子を見ても軽快しないことが多いため、調整で歯科医院を訪れたときは、その場で舌や頬を動かしてワイヤーが当たっていないか入念に確認するようにしましょう。少しでも痛みを感じるようであれば、遠慮なく処理してもらうようお願いすることが大切です。
③食べ物を噛む際の痛み
歯を積極的に動かしている期間は、歯が不安定な状態のため硬いものを食べるときに痛みを感じることがあります。なかでも、調整や新しいマウスピースに交換したあとの数日間は痛みを感じやすく、食事中に歯と歯が触れるだけで痛みを感じる方もいます。痛みがでている期間は食事内容に気を使い、うどんやおかゆ、食パンなどの柔らかいものを中心に食べるようにするとよいでしょう。どうしてもつらい場合は、プロテインなど栄養価の高い飲み物で食事を済ませる方法もあります。
歯列矯正の痛みはいつまで続く?
歯列矯正でもっとも痛みがでるのは、装置をはじめて付けた日から1週間ほどです。痛みには個人差がありますが、空気が当たるだけでも痛いと感じる方もいます。そのあとは、ワイヤーの調整や新しいマウスピースへ交換した日から数日間「食べ物が噛みにくい」「歯と歯が当たると痛い」などの痛みを感じることがあります。
いずれも、歯列矯正が終わるまで継続した痛みがあるわけではないので、安心して治療を受けましょう。どうしても不安な方は、痛みに敏感であることを事前に伝えておくと安心です。また、薄いマウスピースを使用する「マウスピース矯正」は、ワイヤー矯正に比べて少しずつ歯を動かすため、痛みが少ないといわれています。治療方法によっても痛みの感じ方は異なるため、医師とよく相談してから治療方法を決定するとよいでしょう。
まとめ
矯正治療中の痛みについて解説しました。骨のなかに埋まっている歯を動かすため、まったくの無痛で治療を終えることは難しいですが、痛みを和らげる方法や対策はたくさんあります。どうしても痛みに対し不安な方は、自分に合った矯正装置のなかでも痛みの少ない装置を選んでみましょう。また、矯正治療に関する不安やお悩みは、かかりつけの医院でよく相談し解消することも大切です。
表参道AK歯科・矯正歯科では歯並びや噛み合わせだけでなく、口元・筋肉・顔貌のバランスを総合的に診査をし、一人ひとりに合う治療を提案しています。治療内容や治療期間、費用、痛みなどさまざまな不安を感じている患者さまへの配慮を徹底し、安心して通院いただける医院を目指しております。単なる治療ではない「美」を追求したい方は、表参道AK歯科・矯正歯科へお気軽にご相談ください。