ワイヤー矯正をしている人は、していない人に比べて歯が磨きにくい状態となっています。歯磨きが上手に行えないと、虫歯になってしまうリスクが増大するでしょう。
歯列矯正の間に虫歯になってしまった場合、一度矯正装置を外してから虫歯を治療し、治療が完了したらもう一度付けることになるケースもあります。そうなれば、本来計画していた矯正治療の期間より大きく長引いてしまうことにもつながりかねません。
スムーズかつ確実に治療を終えるためにも、正しい歯磨きの方法を学んで口内を衛生的に保つようにしましょう。
当記事では、歯磨きを行う際に注意したいブラッシングのポイントや、矯正中の歯磨きのコツ、歯磨きすると痛い場合の対処法などについて解説します。口のなかの清潔感をキープし、健康な歯で矯正を行いたい方は、ぜひお読みください。
Contents
そもそも歯磨きの正しい方法とは?
あるポイントに注意することで、より効果的な歯磨きが行えるようになるでしょう。以下では歯の磨き方について、主に以下3つの観点に分けて解説していきます。
- 歯ブラシの持ち方
- 手を動かす力
- 手を動かす幅
歯ブラシの持ち方
歯ブラシを持つ際は、鉛筆を持つように握るのがおすすめです。鉛筆と同じ持ち方をすることで、先端を繊細に動かせるようになり、口内の細かな部分までしっかりと毛先を行き届かせられるようになるでしょう。さらに、鉛筆持ちにすると力が強く入りすぎるのも防げます。
なかには、手をグーの形に握り締めて歯ブラシを持っているという方もいるでしょう。しかしグーの形で持つと、歯を磨く力に際に力が入りやすくなってしまいます。
また、鉛筆と同じ形で持っているときよりも繊細にコントロールできなくなるため、磨き残しが出るリスクも高まります。次に歯を磨く際は、ぜひ鉛筆のような持ち方をしてみてください。
手を動かす力
歯ブラシを握る手は、弱い力で動かすのがコツです。汚れを落とそうという意識が強すぎると、つい力を入れて動かしてしまう方も多いのではないでしょうか。しかし力を入れすぎると、逆に綺麗に汚れが取れなくなってしまう可能性が高まります。
たとえばほうきでほこりを掃く際も、力強く地面を擦っていては綺麗に取れません。優しい力で軽く掃いている人がほとんどでしょう。歯磨きも同じように、緩い力で丁寧に磨くのがコツです。
手を動かす幅
手を動かす幅は、小刻みにすることを意識しましょう。歯にブラシを当てた際、ブラシは1〜2本程度の歯にぶつかるはずです。「今ブラシに当たっている数本の歯だけを入念に磨くように、細かく動かす」という流れをすべての歯で行うのがコツです。
歯列の凹凸ができている部分は磨きにくく汚れもたまりやすいため、1本単位でとりわけ細かく磨くようにしましょう。
ワイヤー矯正中の歯磨きの方法
ワイヤー矯正を行っている場合、歯に取り付けられた装置に注意しながら歯磨きを行わねばなりません。装置の間などに汚れが蓄積しないよう、一際入念に磨くようにしましょう。以下からは装置がついている人向けの歯磨きのコツを、装置の上側と下側に分けて紹介していきます。
矯正装置の上側の磨き方
普通の歯磨きのように磨いてしまうと、装置ばかりに歯ブラシの毛先が当たって、装置の奥にある歯は綺麗になりません。したがって、装置の上側にあたる歯と歯茎の間を重点的に磨く必要があります。
歯ブラシを垂直ではなく、斜めに傾けて当てると磨きやすいでしょう。磨く際には、1本の歯につき10〜20回程度磨いて隣に移るというのを繰り返すようにしてください。
矯正装置の下側の磨き方
装置の下側は、上側に比べて磨きやすい部分です。上側と同じように、歯ブラシを45度ほど傾けて動かしましょう。歯を半開きにした状態で、歯ブラシを軽く刺すように装置の下へ当てるのがコツです。
ワイヤー矯正中の歯磨きのポイント
ワイヤー矯正中は、歯磨きを行うタイミングや方法にも注意する必要があります。以下4つのポイントを押さえることで、さらに虫歯などのリスクを下げられるでしょう。
- 奥歯は磨き残しが多いので注意
- 食べたらすぐ歯を磨く
- ワンタフトブラシも活用する
- 歯科医院でのメンテナンスも重要
それぞれの詳細については、以下で解説していきます。
奥歯は磨き残しが多いので注意
奥歯は矯正をしていなくても磨き残しやすいポイントであるため、矯正中はより一層注意して磨かねばなりません。奥歯を磨く際は、しっかりと届いているか鏡を見ながら磨くのがおすすめです。洗面台の鏡だと口のなかがうまく映せない可能性もあるため、手鏡を使うのがよいでしょう。
食べたらすぐ歯を磨く
歯は朝起きたあとや夜の寝る前にしか磨かない、という方も多いでしょう。しかしより確実に虫歯を予防したいのであれば、食べたあとすぐに歯を磨くのが理想です。とくに治療を行っている間は、装置の周辺に食べ物のカスが蓄積しやすくなっています。
食べ物のカスが残った状態で長い間放置していると、プラークのなかにいる細菌が食べカスを餌に増殖しやすくなります。食べたらすぐ歯を磨く習慣を付けることで、口のなかに汚れが残りにくくなり、常に清潔感のある口内に保たれるでしょう。
ワンタフトブラシも活用する
歯磨きの際、通常の歯ブラシだけでなくワンタフトブラシもあわせて使用するのがおすすめです。ワンタフトブラシとは、毛束が小さくひとつにまとまった歯ブラシのことです。ヘッドが小さいため、ワイヤーの下の細かな部分や奥歯といった、普通の歯ブラシが届きにくい部分であってもしっかりと磨きやすくなるでしょう。
ワンタフトブラシは、矯正を行っていない人にもおすすめのアイテムです。しかし矯正をしている人は、装置が遮ってブラシが届かなくなっている場所が多いため、より一層重宝するでしょう。
歯科医院でのメンテナンスも重要
矯正治療を行っている間は、1ヶ月に1回程度のペースで歯科医院に通うことになります。通院時には、装置のメンテナンスを行ったり、歯が虫歯になっていないかの確認を行ったりします。
加えて、装置を付けた状態での歯磨きの指導をしてもらえたり、患者さんが抱えている不安を歯科医師に相談できたりするケースもあるでしょう。
歯科医院への定期通院は、矯正治療を安全に終わらせるために重要な役割を持っています。しっかりとメンテナンスなどを受け、指導やアドバイスを受けたら自宅でのお手入れに生かすようにしましょう。
矯正中の歯磨きが痛い場合は?
矯正中、歯磨きをした際に痛みを感じるケースがあります。力を入れないようそっと磨くことを意識すれば、痛みをいくらか抑えられるでしょう。また、食べ物のカスが歯同士の間に詰まった際は、歯間ブラシを利用すると歯を痛めずに取り除きやすくなります。
なお、矯正中の歯磨きが痛いのは一時的なものであるケースがほとんどです。多くの場合、調整を終えてから2〜3日ほど経てば、痛みをほぼ感じなくなります。
マウスピースの矯正装置は外して歯磨きする
行っているのがワイヤー矯正ではなくマウスピース矯正の場合は、装置を取り外して歯を磨けます。外す際にマウスピースを落として破損したり、紛失したりすることがないようご注意ください。
また、装着時間が短いと治療期間が長引くことにもつながります。歯磨きを終えたあとは、できる限りすぐに矯正装置を付け直すようにしましょう。
まとめ
歯を磨く際は、歯ブラシを鉛筆のように握り、弱い力で小刻みに磨くようにしましょう。奥歯や装置の下部分などは毛先が届きにくいため、ワンタフトブラシを利用するのもおすすめです。
表参道AK歯科・矯正歯科では、歯並びや噛み合わせ、口元、筋肉などのバランスをチェックした上で、患者さんそれぞれに合った治療を提案しています。歯に関する悩みや疑問をお持ちの方は、ぜひお気軽にご来院ください。