矯正方法の第一希望に上がりやすい「マウスピース矯正」には、徹底した自己管理や装着時間が長いなど、いくつかのデメリットがあります。
しかし、ワイヤー矯正では得られないメリットも存在するため、矯正方法で迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、マウスピース矯正のデメリットを詳しく解説します。ワイヤー矯正と比較したメリットもあわせて解説するので、矯正方法でお悩みの方はぜひ参考にしてください。
Contents
マウスピース矯正とは
マウスピース矯正とは、透明に近いマウスピース型の矯正装置で少しずつ歯を動かす矯正方法です。一人ひとりの歯に合わせて作製したマウスピースを装着して、治療の段階に合わせて新しいマウスピースに交換します。症例によっては、アタッチメントや歯科用ゴムを用いて矯正力を高めます。
治療範囲 | 全顎もしくは部分 |
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期間 | 2年ほど |
費用 | 30~90万円 |
透明のマウスピースは目立ちにくく、いつでも取り外し可能なことから人気の矯正方法ですが、いくつかの注意点もあり治療を受ける前によく検討する必要があります。
ワイヤー矯正とは
ワイヤー矯正は、歯の表側に装置を取り付ける表側矯正と、歯の裏側に装置を取り付ける裏側矯正があります。装置の種類が豊富なことや、研究されてきた歴史が長いため、ほぼすべての歯並びに対応していることが大きな特徴です。
ただし、ワイヤー矯正は、歯に固定式の装置を取り付けるため、治療がはじまると完了するまでは装置を取り外せません。そのため、食事の度に食べ物が詰まり、虫歯リスクが高くなってしまいます。
マウスピース矯正のデメリット5つ
マウスピース矯正は、目立ちにくい・取り外しができるなどのメリットが魅力の矯正方法です。しかし、いくつかのデメリットも存在するため、両方をしっかり把握した上で選ぶようにしましょう。
マウスピース矯正のデメリットは、以下のような5つが挙げられます。
- 対応していない症例がある
- 装着時間を守る必要がある
- 装着中は飲食ができない
- 装置を紛失する恐れがある
- 手入れに手間がかかる
では、それぞれ詳しく見ていきましょう。
①対応していない症例がある
ワイヤー矯正がほとんどの症例に対応しているのに対し、マウスピース矯正は治療できる症例が限られています。一部の難しい症例はマウスピース矯正での治療が難しく、ワイヤー矯正が適していることがあります。たとえば、抜歯が必要な症例や、外科手術がともなう症例は、マウスピース矯正で治療が難しいと判断されることが多いでしょう。
②装着時間を守る必要がある
マウスピース矯正は、基本的に食事と歯磨き以外の時間(20~22時間)は装着しておく必要があります。装着時間が少ないと歯が思うように動かず、治療が長引いてしまう恐れがあります。
外出していると「思っている以上に装置を取り外していた」なんてことも珍しくないため、徹底的な自己管理が必要です。
③装着中は飲食ができない
マウスピース矯正中は、食事と歯磨きの際はマウスピースを取り外す必要があります。マウスピースを付けたまま飲食はできず、コーヒーやお茶を飲む際も取り外す必要があります。
マウスピースを付けたまま飲食すると、虫歯や歯周病リスクを高めてしまうため、必ず避けるようにしましょう。ただし、水やぬるめの白湯、炭酸水などは、マウスピースを付けたままでも口にすることができます。
④装置を紛失する恐れがある
マウスピースを紛失・破損してしまうと、再製する必要があります。その場合、医院によって異なりますが再製に費用がかかってしまいます。
また、マウスピースを再製している期間は、矯正治療を続けられません。新しいマウスピースが届くまでの期間の分、治療が長引いてしまうこともあるでしょう。マウスピースを取り外した後は、専用のケースで大切に保管するようにしましょう。
⑤手入れに手間がかかる
マウスピースを取り外したあとは、自分の歯を磨くのと同じようにマウスピースの手入れも行います。自分で取り外せることがメリットになる場合もありますが、こまめな手入れを怠ると臭いや虫歯の原因になる恐れがあります。
汚れが付いていれば流水で落とすか、マウスピース専用の洗浄剤などを活用して清潔な状態を保つよう心がけましょう。
マウスピース矯正のメリット5つ
マウスピース矯正には、他の矯正方法では得られないさまざまなメリットがあります。メリットばかりが先行してしまいがちですが、デメリットもきちんと把握しておきましょう。
マウスピース矯正のメリットは、以下のような5つが挙げられます。
- 矯正装置が目立たない
- 取り外せるので衛生的
- 金属アレルギーの心配がない
- 通院回数が少なくて済む
- スポーツへの影響が少ない
では、それぞれ詳しく見ていきましょう。
①矯正装置が目立たない
マウスピース矯正で使用する素材は、透明度の高い医療用プラスチックです。日中に装着していてもほとんど目立たず、矯正中の口元が気になる方でも安心して治療を続けられるでしょう。仕事の関係で目立つ装置を付けられない方にもおすすめです。
②取り外せるので衛生的
マウスピースはいつでも自分で取り外せるため、清潔で衛生的な状態を保ちやすい矯正装置です。食事の際も取り外せるため、食べ物が詰まる心配もありません。歯磨きと一緒にマウスピースの手入れを行うことで、衛生的な矯正治療を続けることができるでしょう。
③金属アレルギーの心配がない
口内はだ液が循環していることにより、金属に対するアレルギー反応が出やすい場所といえます。マウスピース矯正では、装置に金属を使用しないため金属アレルギーの心配がありません。金属のワイヤーが口内を傷つける心配もなく、安心・安全な治療を受けられます。
④通院回数が少なくて済む
ワイヤー矯正では毎月ワイヤーの調整が必要ですが、マウスピース矯正は自分でマウスピースを交換しながら治療を進めます。そのため、ワイヤー矯正に比べて通院回数が少なく、軽い負担で治療を続けられます。忙しい方や遠方の方でも、挑戦しやすい矯正方法といえるでしょう。
⑤スポーツへの影響が少ない
マウスピースは非常に薄いプラスチックでできているため、スポーツで口内を傷つける心配は少ないでしょう。マウスピース矯正によって、スポーツに制限が発生しないことも大きなメリットです。
ただし、マウスピース矯正のマウスピースを、スポーツ用のマウスピース(マウスガード)の代わりに使うことはできません。激しいスポーツを行う際は、スポーツ用のマウスピースに付け替えるようにしましょう。
まとめ
マウスピース矯正のデメリット・メリットについて解説しました。マウスピース矯正にはいくつかのデメリットがある一方で、他の矯正方法にはないメリットも存在します。自分の歯並びに適している矯正方法が気になる方は、歯科医院でカウンセリングを受けてみましょう。
表参道AK歯科・矯正歯科では歯並びや噛み合わせだけでなく、口元・筋肉・顔貌のバランスを総合的に診査し、一人ひとりに合う治療を提案しています。治療内容や治療期間、費用、痛みなどさまざまな不安を感じている患者さまへの配慮を徹底し、安心して通院いただける医院を目指しております。単なる治療ではない「美」を追求したい方は、表参道AK歯科・矯正歯科へお気軽にご相談ください。